言語化することの価値と可能性
言語化するということ
個人的な解釈なので、普通とは違って少し誤解している可能性もありますが。
私が考える言語化とは、伝達の手段のことで、例えば、後輩に仕事や作業、テクニックなどを伝達する時に、いかにして自分のイメージ通りに伝えることができるかを考えるというあたりと思っています。
一番良いのは、テレパシーのような能力があれば、イメージそのままを伝えることができるようにも思いますが。そのような能力が無い人の間では、言語や文字で伝達することになります。
いきなり言葉を話して、意図を確実に伝えるというのは、ハードルが高いので、下準備的に、文章化してそれをテキストとして、伝達することを考えます。
その際に、未知のことを伝えることになりますので、語彙の不足という問題が立ちはだかることになります。逆に専門的な表現やテクニカルタームをきちんと使えこなせるというレベルなら、そもそもレクチャーする必要など無いことになります。
すなわち、まったくの素人の状態に、説明するには、いかにして、類推の効く、他の事例を比喩として使えるかというのが、一つのポイントになるのではないかと常々考えているところです。
例えば、ある道具を使って作業する時に、どのくらいの力加減で扱えばよいか。でしたら、赤ん坊の手をそっとにぎって少しだけ左右に振ってみるとか。表現するような感じです。力を抜いて左右に動かすとだけ書くよりも、より実感として伝わりやすいと思います。
これが成立するためには、教える方と教わる方、双方に共通の土俵(バックグラウンド)がある必要があります。レクチャーしながら、会話の流れ、あるいは、普段の仕事場での付き合いの中で、どのような人で、バックグラウンドは、どんな感じかとかつかみながら、例えを選ぶ必要があります。
単なる比喩と侮るなかれ。的確にハマれば、自分のイメージをそっくり相手の脳裏に転写することができてしまいます。
言語化しようとすることによって、自分のスキルが伸びていく
レクチャーの過程で、一生懸命伝えようと言語化を繰り返しチャレンジしていく間に、自分のスキルが伸びていることを自覚することがあります。
曖昧だったことにフォーカスして、それをとことん考え抜くというのが、一因でもありますが、根拠とイメージを的確に把握していくことができるというのが、スキルの強化にとても役立ちます。
偶然にできたことではなくて、理論的に裏付けのある再現性のある事柄。そこを目指します。
マニュアル化することによって、継承していくことができる
ほんの些細なtips的なものであったとしても、それを実際に言語化して活字に起こし、印刷した文書にできれば、それは、共有の財産になります。
すなわち、技術、テクニック、スキル、考え方などを組織として継承していくことが可能になります。まあ、組織と大きなくくりを考えなくても、身の回りの数人にでもあるいは、未来の後輩にでも役立つことができるなら、十分価値はあると思います。
そして、その恩恵を受けるのは、もしかすると未来の自分であるかもしれません。
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